スタディーフィールドブログ
12月6日 あはれ、いとをかし。いにしへのすける物思い
中3の土曜講座の古文の問題で、『伊勢物語』の一節を解きました。
タイトルは《すける物思い(簡単に言うと恋のお悩み)》。
ある男がそこそこの見た目の女に恋をする。
が、お節介な親が女を追い出してしまう。
そのことに男は、血の涙を流し、気を失ってしまう…。
という男の女に対する強い恋心を描いた物語です。
(中学生になんちゅうもんを解かせるんだってばよ、、、)
古文や和歌を見ていると、結構昔の人の恋愛って激しいと思うこともあります。
例えば、源氏物語。紫式部が書いた長編小説です。
その中にこんなお話があります。(高校生のときの記憶を掘り起こします…)
主人公である光源氏が、ある一人の少女を見つけます。
気になって前栽(庭先の植木)から垣間見(覗き見)をします。
そしてそのあと…
彼は彼女を自分の家に連れて行き、自分の理想の女性に育てていきます。
現代で考えると、今やったら犯罪レベルの恋愛ですね。
(ちなみに光源氏の理想の女性は、父親の再婚相手の藤壺という女性で、光源氏の初恋の相手でもあります)
あとは、こんな和歌。
―玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ることの弱りもぞする
古今和歌集に収められている、式子内親王が詠んだ和歌です。
自分の胸の内に秘めている恋心が隠し切れなくなりそうで、それならばいっそのこと命ごと消えてしまえ!
という激しい恋心を詠んだ和歌です。(中3の国語に出てきます)
昔の人達の恋愛観は今の私達からすると、
「ありえない!」「ちょっと引くかも、、、」ということばかりで面白いものがあります。
古文というと、国語なのに何書いてあるかわからないと匙を投げてしまいがちですが、
ちょっと調べてみたり、解釈を考えてみたりするのも、一興だと思います。
様々な恋愛模様を描いた古文。もしかしたら現代の私たちにも何か通ずるものがあるのかもしれません。
いや、ない…? (反語風)
かしま
12月5日 語彙力と学力
「以心伝心」「言語道断」「奇想天外」「創意工夫」「烏合の衆」「背水の陣」
中2の国語の授業で触れた四字熟語・故事成語です。
上位クラスの生徒の多くは、これらの言葉の読み書きをすらすらやってくれました。
ところが通常クラスになると、上に挙げた言葉の半数以上が「はじめまして」という生徒が多数に。
語彙力と学力は比例するとは常日頃感じてはいましたが(特に英語では顕著ですね、当然ですが)、現実としてまざまざと見せつけられると改めて危機感を覚えます。国語の定期テストはそこそこ取れているのに、こうも語彙力が残念なことになっていたのか…と。何か塾にできることはないのかと(考え中)。
こんな文章があったとします。
語彙力と学力の相関性は、しばしば単純化して理解されがちだが、両者の関係はきわめて多層的である。語彙とは単なる記号の集積ではなく、概念的操作を可能とする媒介的構造であり、この構造の精緻化こそが高度な認知的パフォーマンスを支えている。すなわち、語彙力の不足は思考領域の分節化を妨げ、抽象的推論の射程を著しく狭める。他方、学力とは制度的枠組みにおいて測定された諸能力の総体であって、本質的には知識体系の内面化と問題解決過程の整序性に関わる。ゆえに、語彙的資源の乏しさは知識の体系化を阻害し、逆に語彙の豊富さは既有知識の再編成を促し、学力の上昇に寄与する。しかしながら、この関係は一方向的ではなく、学習経験の深化が新たな語彙項目の獲得を誘発し、語彙ネットワーク自体を動的に再構築する。結局のところ、語彙力と学力は相互補完的に自己増殖する循環的システムとして理解するのが妥当である。
これが、語彙力が不足している子どもの目にはこんな風に映るのでしょう…
讙蠛力と学力の相関性は、しばしば単純化して理解されがちだが、彧殬の関係はきわめて多層的である。讙蠛とは単なる鬘鱏の鬱櫜ではなく、魋窅的操作を可能とする鬵罍的嚚鱺であり、この嚚鱺の殞螭化こそが高度な壒讟的パフォーマンスを支えている。すなわち、讙蠛力の不足は思考領域の螮蝀化を妨げ、崟黧的鷙黯の射程を玃しく魋める。他方、学力とは黮麑的嶸黥ぬにおいて測定された嚚鱺讙の櫬蠛であって、懟瘖的には知識奫嚚の黧魈化と問題解決殞螭の蠼尨性に関わる。ゆえに、讙蠛的資源の乏しさは知識の奫嚚化を阻害し、逆に讙蠛の豊富さは籛讟知識の再鬻罇を魋し、学力の上昇に崧黵する。しかしながら、この関係は鬱彧殫的ではなく、学習経験の蠛黧が新たな讙蠛項目の獲得を狉玁し、讙蠛ネットワーク自体を殞的に鬱櫜殞する。結局のところ、讙蠛力と学力は相互鱏罇的に自己崧霅する獯麑的システムとして理解するのが霅魋である。
最後まで読めませんね。私なら読んでる途中で気絶します。そして「ヤバい」しか考えられない語彙廃人になりそう。ヤバい。
結局のところ、語彙力と学力は相互補完的に自己増殖する循環的システムとして理解するのが妥当である。
勉強するから語彙が増える。語彙が増えると学びも深まる。何なら語彙は漫画や小説、ゲームでも増えます(そればかりだと学びが深まらないので要注意…)。テレビ番組やニュースについて家族でわちゃわちゃ話すだけでも、語彙はどんどん貯まります。貯まった語彙は、勉強、試験、人生において強力な武器になる。
少年よ、語彙を貯めよ。
竹野
12月4日 I’ll be right here.
“I’ll be right here.”(ずっとここにいるよ。)
スピルバーグ監督の代表作「E.T.」のラストシーンでE.T.がエリオットにかける言葉です。
12月4日は映画「E.T.」が日本で公開された日だそうです。
20年以上前中学生だった私ですが、英語の教科書に「E.T.」の話が載っていたことを覚えています。
その流れで英語の先生が映画「E.T.」のお話を見せてくれたことを覚えています。そういえば当時はVHSだった……
学校で見るテレビっていつもより楽しく感じますよね。
家ではあまり見ないような歴史の番組なんかも、学校の授業中に見るとすごく楽しく感じたりして。
また、そういうことを授業に取り入れてくれる先生は人気者だったように思います。
今でもそういう授業をする先生はいたりするんでしょうか。
残念ながら塾の授業では映像は使えません(設備的に無理です・・・)
ですが、私はなるべく写真やイラストを見せてわかりやすく伝わりやすくしていますので、興味を持って楽しみながら聞いてもらえたらいいなと常に考えていたりします。
富樫
12月3日 入試に時事問題もでるかもって伝えなきゃ。
12月1日に、2025年の新語・流行語大賞の発表とトップ10の発表がありました。
今年の年間大賞に選ばれたのは、「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」。
トップテンには、オールドメディアや古古古米、戦後80年など、
政治や社会で話題になった言葉や出来事が多く受賞しました。
社会の入試の問題でも、その年度にあった時事問題に関連する出題されるということも。
今年度でいうと、
・江戸時代までの歴史で「世界遺産」にまつわる時代ごとの問題(佐渡の金山が世界遺産に登録)
・円高/円安に関する問題(2024年が「歴史的円安」と呼ばれるほど円安がすすんだ)
など。
もしかしたら、今年の起きた出来事から入試の問題も出されるかもしれません。
受験生の皆さんは、ぜひニュースも見てくださいね。
ちなみに新語流行語大賞のトップテンは以下。
■エッホエッホ (アンパンマンはつぶあんって伝えなきゃというミーム)
■オールドメディア
■緊急銃猟/クマ被害
■国宝(観た)
■古古古米
■戦後80年/昭和100年
■トランプ関税
■二季
■働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相
■ミャクミャク
他のノミネートされた言葉も見ましたが、分からないのも多々ありました笑
かしま
12月2日 日本人なのだから
国語・数学・理科・社会。
日本語でこれらの教科を学びます。
日本人なのだから、そりゃそうだ。
ちなみに日本の公用語は「ない」そうです。日本語、公用語じゃなかったのか…。
英語。
英語なんだから、英語で学びます。当然です。
そうすることで、
授業についていけない子どもたちが取り残され、
英語嫌いを量産することが可能になるのです。
日本語が母語の人なら、頭の中も日本語です。
日本人なんだから、
英語のルールもがっつり日本語で
学ぼうぜ!
自作した英語のプリントに英語がほぼほぼ書いてないことに気が付いて、改めてそんなことを考えた今日この頃。英語と日本語の距離の遠さを考えると「日本語で英語のしくみをがっつり学ぶ」がベストでしょう。「英語という教科は、日本語で英語のしくみを学ぶ教科だ」という意識が、小学生のうちから子どもたちの中に定着すればいいのですが…。「オールイングリッシュ」なんてやってる場合じゃありません。
普通の公立中学校で、落ちこぼれを出すことなく、オールイングリッシュで授業を成り立たせる先生がいたら「神」です。現人神。崇拝します。
ちなみに、アメリカ合衆国の公用語も「ない」そうです。
竹野
12月1日 二度寝る人は三度寝る
寒くなりました。もう12月です。今年ももう1ヶ月で終わりです。早いですね。
寒くなってくると、朝布団から出るのも億劫ですよね。
二度寝の何と気持ちよいことか。
冬に特に布団から出られない人が多いかと思いますが、冬特有の原因があったりします。
まずなによりも寒いこと。
冬の早朝の気温の低いこと低いこと。
人間は起床時に自律神経が副交感神経から交感神経に切り替わります。簡単に言えばリラックスモードから活動的モードに切り替わる感じですね。気温が低いとこの切り替えがうまくいかなくなるそうです。加えて人間は夜から朝にかけて体温も低下していきます。そのため、気温が低いとより寒く感じてしまうのです。
そして、冬は日が昇るのが遅いことも関係しています。
冬の朝は暗いですね。
私の前職は早朝から夜まで働くような職場だったので、仕事のある日は一度も太陽を見ないなんてことが結構あったものです。
暗い環境では睡眠ホルモンである「メラトニン」が分泌されます。目覚めても暗い状態が続きやすい冬場は、メラトニンの分泌が続いてしまうそうです。
「じゃあ冬に布団から出られないのは、人間のからだの仕組みのせいなのか。じゃあ仕方ないから寝てしまおう。」
と、できない悲しみ。
できないのなら、そう思わずに済むように、気持ちよく起きれるように工夫をしてみましょう。
寒さ。これはもう暖房で何とかしましょう。布団の中があたたかくて出られないなら、部屋も暖かくすれば万事解決です。
暗さ。これは明かりをつけましょう。人工的な明かりでも、明るくなればメラトニンの分泌は抑えられるようです。
目覚まし時計の音で朝起きている方も多いと思いますが、目覚ましを止めると同時に、部屋の明かりもつけてしまいましょう。
気持ちよい目覚めで一日のスタートを切りたいものです。
富樫
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